新興宗教の葬式

キリスト教や神道のような古い宗教に対して、新興宗教の葬式はどうなっているのでしょうか。日本の代表的な新興宗教について見てみることにしましょう。ここでご紹介するのは創価学会と天理教です。どちらも筆者の独断で新興宗教とさせて頂きました。それに対してのご意見は色々とあるかとは思いますが、あくまでも主観なのでご容赦下さい。
創価学会の葬式は「友人葬」であることが特徴です。友人葬とは、友人などの有志が集まって行う葬式のことです。創価学会はもともと仏教の一派である日蓮宗の宗派でしたが、日蓮宗との対立により訣別し独自の宗教観を持つ団体となりました。そのため、日蓮宗の教義をくんでいるものの、葬式などの儀式に日蓮宗の僧侶を呼ばなくなったことから、友人葬と名づけられました。ほとんどの宗教では葬式に導師としての宗教家が存在します。仏教なら僧侶、キリスト教なら神父、神道なら神主。創価学会は僧侶を呼ばないことから、導師は創価学会の幹部や上司にあたる人物が担当するそうです。
臨終後にまずお通夜があり、その翌日に葬式となるのは仏式と同じです。ただ、そのお通夜や葬式の席上では創価学会独特のお経や題目などを読経、唱和します。
創価学会とは全く性格の違う新興宗教ですが、大きな組織を誇るものに天理教があります。天理教は奈良県天理市に本拠地を置く宗教団体で、仏教から派生した創価学会に対して、天理教は神道から派生した宗教です。そのため、葬式の作法も神式に近いのが特徴です。神道と違って天理教独特の考え方が反映されるのがお通夜に相当する葬式前日の儀式「みたまうつし」です。天理教では人間の体は神様から借りているもので、自分のものは心だけだと考えられています。死ぬということは使い古した体を神様に返して、次に生まれ変わるまで心は神様のところにあるとされています。そのため、ここで言う「みたまうつし」とは、天理教の根幹を成す大変重要な儀式です。天理教の関連サイトを見ていても、みたまうつしと翌日の葬式のどちらかにしか参列出来ないのであれば前日のみたまうつしに参列することを推奨しています。
故人の遺体に向かって行う礼拝も、玉串を捧げるスタイルですからこれも神道とよく似ています。ただ、神道が二礼二拍手であるのに対して天理教は二礼四拍手です。拍手をする際には普段の神社詣りのように大きな音をたてるのではなく、音を立てないように拍手をするという点においては神道と同じです。このような拍手のことを忍び手と言います。

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このページは、isが2008年2月19日 11:51に書いたブログ記事です。

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