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葬式をやっても良い日、やってはいけない日

葬式をやっても良い日、やってはいけない日というものがあるのをご存知かと思います。そうです、友引です。友引という言葉を見ると「友」を「引く」という字で構成されていることから、そんな日に葬式をやるということは友、つまり参列者は弔問客を引き連れて行くつもりなのでは...と眉をひそめられるというものです。それとよく似た考え方で大安にも葬式を行ってはならないというものもあります。大安とは大安吉日と言って結婚式を行うのに好まれる日です。そんなおめでたいことが多い日に葬式をするとは、というわけですね。
さて、そもそもこの友引や大安とは何なのでしょうか。現在日本の一週間は7日間、日曜から土曜まで7つの曜日があります。それに対して6日間で一週間が巡るという、中国の六曜という暦があります。この六曜に友引や大安と言った"曜日名"があります。ちなみに現在では中国も7日間で一週間という暦を採用しています。
日本で現在使われている暦では月曜、火曜、水曜...と曜日の名前を呼びます。英語ではMonday、Tuesday、Wednesday...となります。友引や大安というのはこれと全く同じで単なる曜日の呼び方に過ぎません。友引と書いてあるからと言って友を引くという意味があるわけではないのです。つまり、友引に葬式をしても全く問題はないのです。
以上が仏教界の見解で、どこのお坊さんに聞いても同じ答えが返ってくるはずです。友引に葬式がタブー視されるのは単なる俗信だというわけです。それならば仮に故人が亡くなった日から計算してちょうど葬式の日が友引だったということになっても問題はない...と簡単にいかないところが冠婚葬祭の難しいところです。
仏教界の見解がどうであれ、それを知っている人と知らない人が居ます。友引に葬式をしたとして、それを「確かに友引に葬式を行って悪いことはない」と解釈する人と、「友引に葬式をするなんて非常識な家だ」と解釈する人、それぞれが居るのです。そのため、友引に葬式をしてはいけないのは俗信と知っていても無難に友引を避ける人が多いのが実情です。それがいつしか慣習となり、現在では友引が斎場や葬儀業者の休日になっているところも少なくありません。俗説と言えどもここまで慣習を動かす力があるんですね。逆に考えると慣習や風習というものはこうして自然発生的に作られて行くものかも知れませんが。
ちなみに、お通夜は友引に行ってはならないという俗説もないので、どの曜日に行っても問題はありません。

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